1.当財団の考える英語学習とは 〜ことばの学習〜

私達は,なぜ英語を学ぶ(指導する)のでしょうか?

英語を学ぶのは,人とコミュニケーションするためです。人とコミュニケーションを取るということは"自己のメッセージを他者へ伝達すること"であり,"他者のメッセージを受信し,理解,判断すること"です。

自己のメッセージを持てない子,発信できない子ども達にいくら英語を教えても,その効果は期待できません。

だからこそ,私達はまず,"自己の意見を持ち,発信したいと思う気持ちを,子ども達の中に起こさせること"が必要だと考えています。

そして,そのためには,"物を見る目,感じる心を育むことが何よりも大切だ"と,30年余の指導実践を通して痛切に感じています。また,コミュニケーションをスムーズに行うには,他者への"思いやり"も必要だということは言うまでもありません。

つまり,「英語学習とは,単に英語ができるような子どもを育てるのではなく,まさに人間教育に結びつくものだ。」と強く確信しています。要するに,"ことばの学習"は"人を学ぶ"ことであるといっても過言ではありません。




2.LL指導法の理念・特徴について

私達は,上記の考え方のもとに,独自の指導法である「LL指導法 5 Steps」に従った,英語の指導を普及・促進しています。

この指導での授業構成は,大きく《音声指導》と《文字指導》の2段階に区分けし,全体として,次のような5段階(5 Steps)で構成されます。

    《音声指導》 Listening → Speaking → Communication  
  • Step 1 : 導入・提示 〔Input = Recognition〕 (Listening → Speaking)
  •  
  • Step 2 : 練習 〔Drill = Acquisition〕 (Listening & Speaking)
  •  
  • Step 3 : 応用・展開 〔Output = Communication〕 (Speaking & Listening)

    《文字指導》 Reading → Writing → Communication
  • Step 4 : Reading 〔Input → Drill → Output〕
  • Step 5 : Writing 〔Input (Step 4:Reading) → Drill → Output (Communication)〕
ここでは,LL指導法に一貫して流れている理念と特徴のいくつかをご説明いたします。

〔1〕 "ことば"の指導を目指す 〜英語を教えるな,"ことば"を教えよう!〜

人が話をするときは,そこには必ず,場面や流れがあり,そして,ことばには話し手の思いや感情がこめられています。

私達は,英語(機械的な英語の応答)を教えるのではなく,ことばの楽しさ,人と人とのコミュニケーションの楽しさを指導していくことこそが「ことばの指導」であると考えています。

〔2〕 英語の運用能力の養成を目指す
  1. 知識を与えるのではなく,使える英語を
    文法を知っていても,実際の場面で"ことば"として表現できなくては意味がありません。
    "ことば"は知識・教養ではなく,自己を表現し,相手を知る道具の一つです。
    だからこそ,まず「言えること」が重要であり,文法的に知識を整理することは,習得段階が進んでからと考えます。

  2. まず,音声による習得から 〜音声で表現できないものは書くこともできない〜
    頭の中で,"book"という音(聴覚像)がなければ,"BOOK"という文字を思い浮かべ(記述像),書くこと(記述作用)はできません。音(聴覚像)なしに文字を書くことができたとすれば,それは"書写"したに過ぎないのです。

    LL指導法では,まず,概念と聴覚像の結び付きの学習・指導(つまり音声指導)を十分に行い,次に聴覚像と視覚記述像の結び付き(読み方)と記述作用(書き方)を行うよう,明確に分けて指導していきます。

  3. 通じる英語から正確な英語へ 〜英語の間違いを恐れない〜
    ことばを話しはじめる1〜2歳の段階から正しく話せる子どもはいません。英語学習もまったく同じです。最初の段階から,学習者に正しい英語を話すことを強要することは,学習者に恐怖心やプレッシャーを与え,英語嫌いをつくる要因となってしまいます。

    指導(練習)の段階では当然正しい英語を指導(練習)しますが,応用・発展の段階で,仮に間違ったとしても,そこでは,何よりもコミュニケーションの楽しさを感じることが重要です。

    私達は,次の段階として,言語的に正しい英語を話すような指導ステップを踏んでいけばよいと考えています。

〔3〕 コミュニケーション能力の養成を目指す

LL指導法のもう一つの大きな目標は「コミュニケーション能力の育成」です。

そのためには,授業では,講師からの刺激(メッセージ),それに対しての子どもからの反応(応答)のみで終わりにするのではなく,さらに講師はKR(Knowledge of Results / ほめる・叱る,正誤を与える・矯正するなど)を子どもに与えていくことが必要です。

さらに,コミュニケーションをスムーズに行うには,4技能(聞く,話す,読む,書く)や知識(英語の知識,一般的な常識・話題など)だけでなく,相手を受け入れ,思いやる心や異文化理解の指導の重要性が高まってきています。

〔4〕 言語習得過程に沿った指導 〜発見学習,体験・経験学習〜

LL指導法では,できる限り,人が言語を学ぶ過程(赤ちゃんがお母さんからことばを学んでいく過程)に沿って,指導していくことを目指しています。

言語習得段階は,「ただ聞いている」→「丸暗記,模倣,再生」→「規則の理解」→「習得した規則を応用する」→「自然な会話」→「独自の表現ができる」のように考えられています。

ここで,重要なことは,「ことばの意味・規則」を,子ども達自身に発見させたり,体験・経験する場面をつくっていくことです。そうした学習で,子ども達が自ら考えることとなり,長期記憶へとつながっていきます。

〔5〕 教育工学的手法による指導 〜目標の明確化と細分化及び効果と効率を考えること〜

指導で大切なことは目標を明確化すること。そして,その目標をできる限り細分化することです。一度に,二つ,三つの目標を学ぶことよりも,一つの目標を一つずつ達成していくほうが,結果として,効率・効果が高まります。

また,限られた時間の中で,効率を高めるには,どのようなメディアを使用するかを考える必要があります。

LL指導法には,以上のような理念と特徴があります。そして,こうした指導を実現していくために,「レーザーディスク・バーコードシステム」(LD機器とソフト),各コースの教材・マニュアルなどが用意されています。



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